アイデアが浮かばないときにはどうすればいいのか?
- uichanjp
- 2025年4月21日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月23日

「心に浮かんだフレーズをピアノで自由に音出しして楽しむ」ということについて、「そう言われても、私には何も思い浮かばないんです。」というご相談がありました。
この問いに対する私の答はいくつかあります。
まず、単に音が思い浮かばないだけでなく、そもそも思い浮かべるのが面倒だったりピアノに触ることがおっくうに感じたりするような状態のときには、ひとまずピアノから距離をおいて他のことをするとか休憩するなどが良いかもしれません。リフレッシュすることで、またピアノを弾きたくなることでしょう。ピアノに限らず、何かアイデアを出そうとすると非常にもがき苦しむときもあります。頭をかきむしってうめく姿が色々なドラマにも出てきますが、散歩、旅、友人とのおしゃべり、やけ食い、ふて寝など、創作的活動そのもの以外のことがきっかけでふいにひらめきが得られることが多いものです。
次に、フレーズは思いつかないもののピアノを弾きたい気持ち自体は高まっている場合のやり方です。あくまで私個人の経験と実践にもとづくヒントとしてご参考になれば幸いです。
弾こうとするよりも聴こうとする
ピアノという楽器はとにかく抜群に綺麗な音が出るという特徴があります。私がもしトランペットを吹いたりバイオリンを弾いたりしたら、ひどく調子がはずれたり全く鳴らなかったりするでしょう。ピアノのこの利点を活かして好きな鍵盤を一つ二つ押してみましょう。この時に聴いてほしいのは、出てきたピアノの音だけではなくて、ご自身の内面の声もです。楽しい、けだるい、重たい、戸惑う、など無限の可能性があります。音楽の楽しみは音波、周波数、音量のエネルギーなど音そのものというよりは、音の刺激によって湧き上がる情感にあるので、音と心との結びつきに細心の注意を向けていただきたいのです。次々に音を出さなければいけないという決まりもありません。しばらく聴いてよく味わってからまた同じ音を出してみてもよいし、別の鍵盤を押してみてもよいです。ドの音を弾いてもその時どきで違う感情が呼び起こされますし、同じドでもミの次に弾かれたか、ラの次に弾かれたか、強く弾かれたかそっと弾かれたか、どのようなリズムやタイミングで弾かれたかなどによって、これまた無限の感覚を味わうことになります。私が「指一本でもピアノが楽しめる」というのは、こういうことです。
良く知っているフレーズから弾き始める
「ちょうちょ、ちょうちょ(菜の葉にとまれ)」でも「かえるの歌が(聞こえてくるよ)」でも「晴れたる青空(ただよう雲よ)」でも「強くなれる(自由を知った)」でも何でもいいです。あなたがお気に入りで、かつ単純なフレーズであればなお素晴らしい。それを繰り返したり、少しずらしてみたり、伴奏の和音を入れ替えてみたりすると、練習としてもとても効果的なものになります。たとえば「ソ、ミ、ミ」と弾いたら「ファ、レ、レ」と続けたり「ラ、ソ、ソ」とやったりしてみましょう。堅苦しい話をすると、これは動機と展開という作曲技法につながるもので、実に多くの曲がこの手を使っていることがわかりますね。
感情や情景から逆算して音出しをする
音を決める前に感情や情景を先に決めてしまうというやり方です。たとえば「不気味な前触れ」と決めたら、ペダルを踏んだまま一番低い音域の鍵盤を二つほど鳴らしてみるとどうでしょう。そのまま続けて一番高い音域の鍵盤を不協和音程でタララララ~と弾いてみます。あな恐ろしや~。もちろんこんなオカルト・シネマチックではなく「清らかな水の流れ」とか「青春の躍動」とか美しく楽しいテーマもオススメです。
自由転調で遊ぶ
これはある程度勉強をした人向けですが、音階の一部を、「ドレミレド」でも何でもよいので調を変えながら弾いていくというものです。ただし、音楽の授業でよくやるような、機械的に半音ずつ上げていき、また半音ずつ下げていくという動きは音楽性に乏しいので、私はあまりやりたくありません。半音の動きが混じるのは全くかまいませんが、なるべく音楽性と感情を伴う動きを心がけたいところです。そのほうがずっと楽しめます。さきほどの例で行くと「ドレミレド」はC調だとして、それをG調(ソラシラソ)、F調(ファソラソファ)、D調(レミファ#ミレ)、G調(ソラシラソ)、C調(ドレミレド)と続けていくなどです。途中で長調と短調を交えて動いていくことも構いません。実際の曲ではメジャーコードとマイナーコードが混ざりながら進行していくものがたくさんあります。
いかがでしょうか?無理なく弾ける範囲で試してみてくださいね。なお、このようなことをしているうちに、アイデアが湧きだしてノリノリになってくるときもあって、この状態は「トランス状態」とか「Beast mode」などと呼ばれているようです。よく聴くことを通じて集中した状態に入りやすくなるので、覚えておいていただくとよいかもしれません。




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